2005年09月07日

政府の腐敗から森林不法伐採が止まらないカンボジア

 カンボジアでは現在、森林伐採がとんでもない勢いで進んでいます。政府はそれをコントロールするはずなのですが、腐敗、汚職から違法な伐採を全く制御できていません。
 詳しくはメコン・ウォッチのホームページをご覧ください。
 このたびついに環境問題に取り組む国際NGOを国外へ排除する動きが出てきました。以下にメコン・ウォッチからのメールを転載します。

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カンボジアにおいて今年2月、違法伐採の問題に取り組む国際NGOのグローバルウィッ
トネスによる報告書2000部が、正当な理由なく没収されました。また7月には同
NGOの職員5名の入国が禁止されるという事件がおこりました。カンボジア政府は、
未だにこの処分に関する正当な理由を説明していません。

カンボジアで活動するNGOはフンセン首相に対し、このような理不尽な処分の取
り消しを求める書簡を送っています。また、EUや世界銀行などのドナーもカン
ボジア政府へ働きかけています。

日本でも、メコン・ウォッチ、国際環境NGO FoEジャパン、フェアウッドキャン
ペーンが、カンボジア政府に対して今回の処分に関する説明責任を求め、カンボ
ジアにおける人権の尊重と言論の自由、そして海外市民団体も含めた市民社会に
おける自由な活動が保障されることを要請するレターを、日本政府へ提出するこ
とにしました。

つきましては、主旨をご理解いただき、ぜひともみなさまの賛同をいただきたく
お願い致します。また、お知り合いの団体・個人の方にお声をかけていただけま
すと誠に幸いです

賛同していただける方は、9月8日(木)までに、団体/個人名を明記の上、メコ
ン・ウォッチ後藤goto@mekongwatch.orgまでご連絡いただけるよう、お願いいた
します。

◆この件についての詳しい情報は下記をご覧下さい
カンボジア森林>違法伐採監視NGOが国外追放(2005.9.2)
http://www.mekongwatch.org/resource/news/20050902_01.html

◆この件に関するご質問やご要望などは下記までお問い合わせ下さい。
(特活)メコン・ウォッチ 後藤
電話 03-3832-5034 ファックス 03-3832-5039
電子メール info@mekongwatch.org

======================【要請文】===========================

2005年9月XX日

外務大臣 XXXX様

カンボジア政府による海外市民団体職員の入国・活動禁止処分への対応を求める
要請書

1980年代後半から深刻化しているカンボジアにおける森林伐採の問題は、農
村部に住む多くの貧困層の生活へ打撃を与えており、政治家・軍による関与や汚
職の問題が国際的にも認識されています。そのため、1999年に東京で行われ
たカンボジア支援国(CG)会合以降、日本政府を含める援助国とカンボジア政府
との間で、森林セクターの改革が取り組むべき主要課題のひとつとして合意され
ています。また、世界銀行、IMFなどの国際機関も違法伐採の取り締まりを融資
の条件にするなど、カンボジア政府による対策強化を求めてきました。カンボジ
ア政府も2004年に発表したRectangular Strategyにおいて、汚職の追放を開
発戦略の優先課題とし、市民社会やドナーなど全ての利害関係者を含む開発にお
けるパートナーシップを掲げています(1) 。

しかし、このように市民社会の関与の重要がうたわれながら、カンボジアでは違
法伐採の問題に取り組む市民団体職員への脅迫や理不尽な処分が続いています。
2005年2月20日、カンボジアの森林セクター改革に長年貢献している国際
NGO、グローバルウィットネス (2)の出版物、Taking a Cut?
Institutionalized Corruption and Illegal Logging in Cambodia's Aural Wildlife Sanctuary 2000部が一切の説明なくカンボジア政府によりプノン
ペン国際空港で没収され、カンボジア国内での出版・配布が禁止になりました。
また、2005年7月18日には、再入国しようとした同NGOの職員1名が、十
分な説明なくカンボジア政府によりビザを取り消され、カンボジアへの入国を拒
否されました。その後、さらに4人が同じく入国禁止処分を受けています。また、
現地からの情報によればカンボジア国内に残る同NGOのカンボジア人職員も脅迫
を受け続けています。

グローバルウィットネスは、過去11年間、カンボジアにおいて違法伐採と汚職
の問題を指摘する活動を行っています。同NGOは、1999年以降、商業レベル
での違法伐採は縮小しているものの、生産森林や保護区での中規模な違法伐採は
全土で継続しており、森林局・政治家・軍・警察が関与していることを指摘して
います(3)。違法伐採が未だに存在する問題は、ドナーの自然資源管理ワーキ
ンググループ(WGNRM)によっても指摘されており(4)、適切な森林資源管理
が緊急な課題であるということは、2004年のCG会合においても確認されてい
ます。違法伐採問題は、国際的にも取り組むべき緊急課題としてG8グレーンイー
グルスサミットにおいて行動計画に盛り込まれたところです。同NGOはこの問題
を、極めて詳細な現地情報および分析結果をもとに訴え続けており、今回没収さ
れた報告書にもその内容が含まれていました。

いわば、森林セクター改革という、カンボジア政府と援助国・機関が主要課題と
して合意した問題そのものであるにも関わらず、違法伐採の詳細を明らかにする
市民団体が排除されるという、極めて理不尽な処分が下されています。カンボジ
ア政府は2004年の第7回CG会合において、グローバルウィットネスの活動を
「歓迎する」 (5)と明言しているにも関わらず、今回の処分に関する十分な
説明は行っていません。

すなわち、グローバルウィットネスが今回のような処分を受ける理由はまったく
見当たりません。なにより、民主主義が確保されるためには、政府の説明責任、
情報公開、言論の自由、そして海外市民団体も含めた市民社会における自由な活
動が保障される必要があります。カンボジア政府自身も、とりわけ森林セクター
の改革と汚職の追放のためにこうした原則の重要性を公言してきています。よっ
て、これらが現実において実施されるためにも、私たちは日本国内外で活動する
市民団体として、日本政府(6)へ次のことを要請します。

1.今回のグローバルウィットネスの排除に関するカンボジア政府の説明責任を
求めること

2.カンボジア政府に対して人権の尊重および言論の自由を確保するよう求める
こと

3.グローバルウィットネス職員への入国禁止をはじめとする処分、および上記
報告書出版禁止措置の解除をカンボジア政府へ求めること4.森林セクター改革
と汚職の追放へのカンボジア政府のコミットメントを確認すること

この問題に関しては、既にEUが外交ルートを使ってカンボジア政府へ問題提起し
ており、世界銀行も対話の機会を設けていると聞いています。是非、この要請書
にご配慮いただき、日本政府としてしかるべき対応をとっていただきたく、お願
い申し上げます。

注:

(1)Royal Government of Cambodia, Implementing the Rectangular Strategy andDevelopment Assistance Needs, November 2004.

(2)自然資源の開発と人権侵害のつながりを明らかにすることを目的とした調
査研究型の国際NGO。英国ロンドンに本部を置く。2003年にはノーベル平和賞の
候補団体として推薦されている。http://www.globalwitness.org/

(3)NGO Statement to the 2004 Consultative Group Meeting on Cambodia, P50-51.

(4)"Key Reform Issues in Forestry and Fishery Sectors on behalf of Donors' Working Group on Natural Resource Management (WGNRM)", CAMBODIA CONSULTATIVE GROUP (CG) Meeting, June 19, 2002.

(5)Royal Government of Cambodia, Implementing the Rectangular Strategy and Development Assistance Needs, November 2004, p33.

(6)日本政府は、2004年2月の「カンボジア国別援助計画」の中で、グッドガ
バナンスの強化および森林犯罪の監視モニタリングプロジェクトを援助の重点分
野として積極的に支援すると明記し、「今後の同国の経済社会開発に於いても、
我が国の貢献は他のドナー国・機関に比し、相当に重要な役割を担っており、こ
の認識の下、より効果的・効率的な支援を実施していく必要がある」、としてい
ます。また、2005年6月30日の会合では、在カンボジア日本大使館の高橋大使も、
森林セクター改革が適切に行われるよう、フンセン首相へ要請されています。


特定非営利活動法人メコン・ウォッチ
代表理事 松本悟
住所:東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F

特定非営利活動法人国際環境NGO FoE Japan
代表理事 岡崎時春
住所:東京都豊島区目白3-17-24-2F

フェアウッド・キャンペーン
満田夏花/坂本有希
住所:東京都港区虎ノ門1-18-1第10森ビル4F
posted by yasu at 16:58| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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